『今年前半、円安ドル高は「間違いない」』そうです(1/31 麻生太郎財務相 参院予算委員会にて)
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資産運用の基礎、Q&A、基礎用語
こんにちは、投資アドバイザーの真原です。
今回は「為替」について。
目次:
1.)1月31日 麻生太郎財務相 参院予算委員会での発言
2.)為替動向に「間違いはない」は「ありえない」が・・・・
3.)円安円高に賭けるのではなく、日本円以外に通貨分散する重要性
<1/31 麻生太郎大臣 参院予算委員会にて>

(出典:ANN News)
そもそもいつも思うのですが、国会や予算委員会って、ほとんどの日本人(退職者世代以外の若い世代の国民)が働いている時に進められていて、法案や予算が勝手にアレコレ決まって、それを新聞やニュース報道で後になって見る(ある意味勝手に決まっていっている)という状況では、「大半の国民置いてけぼりじゃない?」って思うのは私だけでしょうか??
だって、この中継をオンタイムで見られるのって、その大半は退職者世代ですよね?彼ら世代の為政者や官僚が、その世代向けに良いメッセージを出せば、次回の選挙に「お!あの人良いこと言っていたから次回の選挙で投票しようかな」ってなりますよね・・・。
もちろん、今はYou Tubeにドンドンアップされて時間外でも彼らの仕事ぶりを見ることもできますが、そこまで積極的にしない退職者世代以外の若い世代の国民にも責任はありますか・・・。
1.)1月31日 麻生太郎財務相 参院予算委員会での発言
そんな麻生太郎財務大臣に感謝したいと思います。
実は本日の予算委員会にて公明党の山本香苗氏の質問(2017年税収の政府見積もりに関連して)で「昨年の11月以降、円安と株高が続いており、そういう状況の中で税収を見込まれるという話だが、いつまでいわゆる状況というのは続くか分からない」との指摘に対して、
『経済は生き物でもあり、トランプ(政権)という不確定要素が新しく入ってきている。今の状況でいけば「間違いなく」前半、円安・ドル高に振れていく傾向はしばらく続くであろうかなという感じは大方の予想と同じだ』
と回答したそうです。
麻生大臣が「間違いない」と言ったから、「円安/ドル高」は間違いない!というつもりはサラサラありませんが、「為替」を司る財務省の財務大臣である麻生太郎財務相が「間違いない」と仰っている以上、無視できない発言でしょう。私が度々このブログや毎週のシルバー会員専用レポートで指摘している通り「円安ドル高」要因が高まっているという自信にもなりますね。
そして、トランプ大統領就任からの影響は確かに不確定要素が大きくなっていますが、確実に日本人の生活にも影響は出てきます。
※「トランプ氏が大統領に就任するからって、日本人の私の生活には関係ありませんよね?」と疑問に思っている人/資産運用Q&A
2.)為替動向に「間違いはない」は「ありえない」が・・・・
とは言え、失言王と揶揄されることもある麻生大臣の今回の発言「年前半の円安は間違いない」って言い切れる根拠はどこにあるのか、実はいささか疑問です。
というのも、「為替動向(水準)」は読み切れないのに、麻生太郎大臣がここまで断定的に言えるのというが「凄いなー」と思う訳です。
彼のような重要ポストの方が好き勝手発言して仮に為替リスクが高まり上下に動くのではという意識や関心が低いのかなーなんて思ったりします。
為替を読み切る(「間違いないはありえない」とも思いますが)、麻生大臣が力強く「間違いない」と言ってくださっているので、私もその発言を後押しに「円安リスク」に備えた動きや投資判断を投資家に力強く訴えていけると思います。
3.)円安円高に賭けるのではなく、日本円以外に通貨分散する重要性
そもそもFXの為替短期トレード(ギャンブル)やトレーダーの方でない、いわゆる中長期での個人投資家は、短期的な為替の上げ下げに賭けることには全く意味は無いのでお勧めしません(そもそも短期に上げ下げを予測してマネーを投じる行為自体は「資産運用(投資)」ではなく、単なる投機です(スペキュレーション=上げ下げに賭ける行為))。
では、「個人投資家」はどのように考えれば良いかと言えば(中長期での)
”通貨/資産の分散”
です。
日本人の多くは、
”日本円の現金で、日本の預貯金で、金利がゼロなのに、そのまま置いてある”
でしょう。
麻生財務大臣の言葉を借りて、
「円安・ドル高に振れていく」
とすれば、これは言い換えれば「円の価値が米ドルに対して弱くなる」つまり拡大解釈すれば「円しか持っていないというのは貧乏になる」と同意です。
※「円高」と「円安」については先にこちら↓を読んでもらう方が、これ以降を理解し易いと思います。
※超基礎!今さら他人に聞けない「円安」と「円高」そして「通貨分散」/金融・資産運用の用語
さて今現在1ドル=113円なので、例えば「日本円1,000万円」の、米ドル換算価値は「USD88,500」です。
麻生大臣の言うように、今後円安ドル高になって、仮に1ドル=120円になってしまえば、同じく「日本円1,000万円」の米ドル換算での価値は「USD83,000」になります。つまり「USD5,500」ぶん米ドルが強くなり日本円が弱くなるということ(ドル高円安)。
つまり、円安になればなるほど日本円資産しかもっていない個人投資家や大半の日本人は貧乏になってしまう訳ですが、このドル高円安を防ぐ方法としては「(円安ドル高になっても良いように)先に米ドル資産を保有しておく(通貨分散しておく)」ことです。
通貨分散として、例えば日本円資産1,000万円のうち、500万円を1ドル=113円台の時に米ドル資産にしておくと米ドル資産価値「USD44,250」。
要は、日本円で500万円(JPY)と、米ドルで44,250(USD)を持っておく。
麻生大臣が「間違いない」と言うように今後「円安ドル高」になって、例えば1ドル=120円になったとすると、
その時には、日本円500万円(=USD41,700と円換算で考えると目減りしますが、日本円のままなので為替は(一応)関係ない)、先に米ドルに変えていた米ドル資産を円安になった時に円換算すると531万円(USD44,250×120円)となり、円安ドル高分を相殺してむしろ為替差益になっています。円ベースで考えると1,000万円だった資産が1,031万円になっている。
これが、通貨の分散です。
円資産だけで持っていると為替の下げ(ドル高円安)によって資産が目減りしますが、通貨を分散させて米ドル資産を持っているだけでその下げ(ドル高円安)をを防ぐことができるのです。
為替動向は様々な要因が絡み合ってシーソーゲームなので、完全に一方向に傾き続けるというのはあまりあり得ません(1ドル360円時からは一方向に円高ですが・・・)。
ただ、今後のトランプ政権の経済政策や米国の金融政策(継続的な利上げでの日米金利差拡大)を踏まえると、麻生大臣も間違いないと仰っている
円安ドル高(円資産しか持っていないと貧乏になる)
傾向になるということでしょう。そのリスク回避として出来ることは「通貨分散」、これしかありません。
ちなみに、オフショアファンドへの一括投資では「米ドル建て運用」が主流なので、円安に備えた通貨分散をしつつもファンドでの資産運用ができますね。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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