結局、実質賃金は24ヶ月連続でマイナス!安倍政権下の2年間は「円の価値が下落し貧しくなっている」という事実。通貨分散せずに日本円(JPY)しか持たないリスクに気付いていますか?
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最終更新日:2021/02/09
気になるホットニュース(妄想・制度・規制)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
6月2日付けで4月の実質賃金の速報値が「4月の実質賃金0.1%増、2年ぶり上昇 賃上げが寄与(日経新聞)」など報じていたのを覚えていますか?まずはこちらを確認してみましょう。
※『新聞記事は統計上のカラクリ!実質賃金上昇はある種のマヤカシである。/投資と社会事情の関係』について
そして、6/18に発表の報道がこちら。
今回はまるまる「日経QUICKニュースの引用」が報じられていました。上で確認した6/2の記事には「家計の実感に近い実質賃金が上向き始めたことは個人消費の追い風となりそうだ。(主観)」が含まれていますね。何はともあれ主観を排除して「客観的なデータ」で見ると、24ヶ月間=2年間は実質賃金が増えていないという事に他なりません。
2年前の2013年4月にタイムスリップ!
2013年4月当時、第2次安倍政権下+現黒田日銀総裁の「2%の物価目標を2年間程度で実現するために日銀が供給するマネタリーベース(資金供給量)を2年間で2倍にするという量的質的緩和政策」が始まった時期です。為替推移も確認してみましょう。
<USD/JPY 為替チャート3年間>
縦に黒線を引いているのが、2013年4月で1ドル=94円程度だった頃です。ここからこの水準未満の円高はありません。
つまり、2013年4月からの2年間で為替水準は30%程度ドル高円安になっているということです。もっと言えば、米ドルを使う外国人からしてみれば「日本は30%割引き」であって、日本人からすれば「30%割高(要は円の価値が目減りしている)になって、輸入物価コストなどが上昇している」ということです。
円安ドル高であっても、実質所得が増えていれば問題ないが、しかし現実は?
上で確認しているように、円安ドル高の影響からの輸入物価コスト増大に伴って企業側は最終商品への転嫁せざるを得なくなります。(実際の価格高もしくは価格据え置きでも中身の減少など)、結果モノは高くなる(と感じる)。冒頭から確認している通り実質賃金が24ヶ月間減少中である以上は相対的に日本人は「貧しくなっている」ということです。逆に仮に実質賃金が右肩上がりに上昇し続けていれば良いのですが真逆の環境ですね・・・。
これが「日本円しか持たないリスク」です。具体的に、日本円の価値を米ドル換算で見てみます。
2013年4月時点(1ドル=93円) :5,000万円=USD531,914の価値
2015年6月時点(1ドル=123円):5,000万円=USD406,500の価値(30%マイナス)
「日本にしか住んでいないから外貨(米ドル)を持つ必要は無い」という勘違いを捨てませんか?
日本に住んでいると為替が円安になっても円高になっても大して変わらないんじゃないか?と感じるのはよくあることですが、冷静によくよく考えてみましょう。確実に周りのモノ(デフレ下の王様、牛丼チェーン店やファストフードなど)が相次いで値上げしていますよね?明らかに「円の価値」が下がっている結果です。外国人に聞く度にいつも「日本って安いよね」っと言われます。
為替は必ず「上げ下げ」があるので、例えば円高にブレる要素が少ない、更にドル高円安にブレると想定している個人投資家は、円資産比率を下げて、外貨比率を高めておく方が良いという合理的な判断になります。常に通貨分散とリバランス(配分比率)をすることが資産全体のリスクを抑えることに繋がります。
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