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米国「政府機関閉鎖+債務上限引き上げ失敗」と「メキシコ国境に壁を作るか」のチキンレース?

こんにちは、眞原です。

明日から9月ですが、どうやら9月のグローバルマーケットは「荒れそう」な予感がしています・・・。上下のブレがあるというのはオフショアファンド(ヘッジファンド)にとってはリターンを上げやすくなるので良い環境ではありますが、投資家心理としては短期的に堪えるかも知れません。

9月に入ると、まず北朝鮮問題は9/9(北朝鮮独立記念日)がターニングポイントでしょうし、

ミサイルが落ちてきそうな日本の「日本円(JPY)」が買われ円高になるのは何故?

そして、それ以上にマーケットや投資家が目下注目し続けているのが、今回の

米国(トランプ政権)の「政府機関閉鎖+債務上限引き上げ失敗懸念」

です。

(出典:REUTERS)

結論から言うと、

米国のデフォルト懸念に振り回されるマーケット(毎度の米国内の政争の具)

ということ。

ことの発端は先週、米国トランプ大統領が、

「メキシコと国境の壁建設の財源確保のためなら連邦政府機関閉鎖も辞さない」

という考えを示したことで9月中に通過しないと困ることになるであろう重要法案(「歳出予算法案」と「債務上限引き上げ法案」)の2つが議会を通過出来ないのでは??と意識されるようになったのです。

米国の政府機関が閉鎖??

そもそもの大前提として、議会は会計年度が終了する9月末まてに連邦政府の活動予算を手当するための新年度の歳出法案を成立させないといけません。

これに合意が得られない場合には、「つなぎ予算」を承認しながら、本予算の協議をしていく必要があります。

それでもつなぎ予算と本予算でどちらも折り合いが付かなければ「政府機関が閉鎖」されます。

記憶に新しいと思いますが、4年前のオバマ前政権時代の2013年10月に、医療保険制度改革法(オバマケア)に対する支出を巡った与野党対立が原因で政府機関閉鎖が起こったのは皆さんの記憶に新しいと思います。

債務上限の引き上げ?

また一方で「債務上限」というのは、連邦政府が財務省証券(米国債)を発行し、借り入れられる金額を法的に決めているものです(現行で19兆8,000億ドル)。この実際の借入額が上限に達する場合には議会が上限を引き上げる必要があるものの、これができない場合には、米国政府はデフォルト(債務不履行)に陥ります。

つまり、この債務上限問題は「米国債保有国/保有者」さらにはほとんどの債権券の投資信託(ミューチャル・ファンド)も大きく影響を受けるのは間違いありません。

世界で「米国債」の最大保有国はどこだ!(世界パワーバランスは通貨バランス)

過去数年で最も印象に残っている債務上限引き上げ協議が決裂寸前までもつれたのは2011年です。

米国格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国のソブリン格付け(長期発行体格付け)を「AAAからAA+」に史上初めて引き下げた結果、当時の米国株の時価総額が2兆4,000億ドルあまり吹き飛ぶ結果をもたらし、それが波及して日本(日経平均株価が一時9,000円を割り込む水準に)、中国(上海総合指数)、香港(ハンセン指数)、韓国など主要アジア株式市場も軒並み下げる影響となりました(俗に言う「米国債ショック」)。

また為替でも7月中旬当時に為替が1ドル=79円台だった状況から1ドル=76円台までの円高が進む「大荒れ」マーケットとなったのが記憶に残っている投資家も多いのではないでしょうか?

今回、米財務省は9/29までに議会が債務上限を引き上げることを要望していますが、もしこの日を越えた場合でも財務省には緊急時の予備財源があるので、仮に米国デフォルトが起きるとして、早くとも10月半ばに以降になってきます。

トランプ大統領(政権)のことなので、マーケットは荒れること必至!

本来、別々の審議になる2つの法案(議題)とのことですが、今回は共和党の債務上限引き上げ反対派が歳出予算の削減を要求しようとしているので、審議はセットで取り上げられる公算が大きくなっています。

下院(壁建設の初期費用16億ドルを含む歳出法案を通過)では「歳出予算法」と「債務上限引き上げ法案」について単純な過半数で可決ができるものの、上院では60人の賛成が必要なので、52議席しかない共和党は民主党の一部の支持を得る必要がでてきます(政争の具)。

だからこそ、そこで「メキシコ国境の壁建設」についての議論が出てくるのですが、下院(共和党保守派)は壁建設を訴えるトランプ大統領に共鳴して、関連予算をどの歳出法案でも優先すべきと主張。そして、一部では予算獲得のためであれば進んで政府機関を閉鎖するとの声も上がっている状況です。

一方の共和党穏健派は、政府機関閉鎖を好ましくないと考え、党指導部も政府機関閉鎖回避を決意している状況。

さらに問題を複雑化しているのは、先週のハリケーンHarveyによる被害者支援のための資金確保(=予算)です。

各党、各政治家が「政治(金と名声と支持)」を巡る攻防を繰り広げる結果、米国債券市場、株式市場、コモディティ市場、あらゆるマーケットがグラグラと揺れる9月になってくるのかなと想定しています。

なので、個人投資家の皆さんは、慌てず落ち着いて進捗を見守るほうが良いでしょう・・・。

「米国債がデフォルトする」

というのは、まずあり得ないと考えましょう、、、というのももし仮に米国債が完全にデフォルトした場合、世界の経済システムそのものが「終わる」からです。

あくまでも政争の具として利用され、それにマーケットや投資家心理が翻弄されるということに過ぎません。

ちなみに、議会が数カ月間の暫定予算を可決すれば政府閉鎖は当面回避できる上、トランプ大統領が壁建設費用(約220億ドルで完成には3年以上を要する)を除いた暫定予算案を承認すれば、予算の期限とみられる12月までは対立を先送りすることができるようです・・・。

さぁ、トランプ大統領がどう(政治的な)判断をするか・・・。



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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。

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  • 眞原郁哉

    1986年、兵庫県神戸市生まれ。

    同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社。その後、K2 Investment株式会社入社。投資アドバイザーとしてクライアントのためになるアドバイスをできることにやりがいを持ってます。

    趣味はダンス、ネットサーフィン、珈琲。体育会系に見えて、実はインドアでもあったりします(笑)。

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