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「日本株保有」は「資産分散+通貨分散」になりません(日銀と年金GPIFが買い支える歪んだ日本株式市場)

こんにちは、眞原です。

今回は、みなさん大好きで関心が高い「日本株式」について。

<日銀のETF保有16兆円、1年で1.8倍 3月末時点>

(出典:日本経済新聞Web版 HP)

2017年3月末時点で、日本銀行券(=日本のお札)を発行している日銀が、上場投資信託(ETF)を通じて日本株式を買い入れ続けている結果、日本株ETFの保有額が約16兆円(前年比1.8倍)となったそうです。

東証1部上場企業の時価総額が約550兆円なので、日銀保有比率は全体の2.9%と徐々に「その存在感」が大きくなっているという指摘です。これは、必ずしも「日本株式市場」にとってポジティブな状況であるというわけではありません。

さらに、今の年間6兆円ペースで買い入れを続けると仮定すると、さらに2年後には今の保有額が倍の約30兆円(東証1部企業の時価総額が550兆円から変わらない場合には5.4%の保有比率)となるそうです。

そういえば、私のブログ記事でも約1年前の2016年5月時点で、

※日銀保有の日本株式EFT累計額は8.9兆円で保有率59%!〜作られた日本株式市場〜

という記事を覚えている読者も多いことでしょう。

さらにそこから約3ヶ月が経過した2016年8月中旬時点では、

<日銀保有の日本株ETF市場お60%を占める>(出典:Bloomberg)

結果、様々な名だたる企業の実質的な「筆頭株主」となっているのが、この「日銀」

2016年8月初旬時点で日経平均株価を構成する225銘柄のうちの75%で日銀が大株主上位10位以内に入っており、ヤマハ(7951)に至っては、既に事実上の筆頭株主状態にありました。

<日銀による日経225支配(大株主順位の現状と2017年12月見通し(2016年8月時点))>

(出典:Bloomberg)

さて、これで「健全な日本株式マーケット」と呼べるのでしょうか???

ようは、日銀(=官製相場)として、各企業の株価へ影響を与え、更には「日経平均株価」や「TOPIX」に影響を与え続けている訳です、本来の自由トレードの株式市場が歪められて・・・。つまりは、各上場企業のガバナンス(企業統治/コンプライアンス)としては、コントロールが効きにくくなってきています(=官製相場ゆえに)。

さらに言えば、ご存知の通り日銀だけではなく、私たちの年金「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」も、日本株式を買い支えています。

結果、2017年2月末時点東証1部に上場する企業の約半数の約980社で事実上の大株主になっていると言われています(日銀とGPIF合わせて約5%超の大株主、株主総会では議決権行使ができないが、全体の1/4にあたる約490社では事実上の筆頭株主)。

もう1度聞きますが、これで「健全な日本株式マーケット」と呼べるのでしょうか???

もちろん、GPIFも日銀も間接的にであれ「東芝(6502)」「タカタ(7312)」など圧倒的に業績不振の企業、また「シャープ(6753)」など配当を見送る約90社超の株式も保有していると言われています。

さらにGPIFは上場廃止企業や倒産企業銘柄も保有していたことはあまりにも有名な話ですね(破産手続、2012年12月上場廃止のサクラダ(5917)2011年1月に上場廃止のシルバー精工(6435)など)

※日銀やGPIF(年金基金)の日本株がマイナスになれば誰が責任を取る?

さて、ここまで長々と『「日銀」と「GPIF」が日本株へ投資しています』と伝えてきましたが、これが意味しているのは、

「間接的にであれ、私たちのお金(年金)もしくは日銀(に今後注入されるかもしれない可能性がある税金)を通じて、日本株式へ投資をしている」

ということ。

結果、今の2万円台の日経平均株価なんて公正な株価を付けている訳ではないでしょう。

まして、日銀に至ってはいつかは日本株ETFを売る出口戦略の時が来るので、その時には間違いなく「巨大な売り圧力(下落圧力)」になるのですから!(ブロックトレードのような売り方をしてくるかもしれませんが)。

1人1人の金額としてはごく僅かな金額かも知れませんが、客観的に「(好き嫌いは別として)日本株へ投資している」ということにです。

ということは、例えば、

・自分の投資資産で「日本株へ投資している」

・401kやiDeCo(確定拠出年金)で、日本株ファンドへ積立投資している

・日本株ファンドへ投資している

など、さらに「日本株資産」を持っている人は、

直接的であれ、間接的にであれ、自分の資産が「日本国と同一化している(日本経済&日本株とあるいみ心中するつもり)」

だということです。

気がついていますか?

この「全く資産分散できていない」という現実に???

資産運用で大事なのは「分散」です(だって、先々は誰も読めないのですから)。

だから、GPIF(年基金基金)も外国資産へ分散し始めたのでしょう??

「日銀」も「GPIF」も、結局は同じ日本人の財布日本円で、日本株を勝手に買い続けています。

この「分散投資」の考え方が大事なのは、個人投資家も同じです。

資産内容の分散、日本円だけでなく、外貨資産を持つ分散です。

資産運用では「分散」が大前提です。

そもそも年金を通じて勝手に「日本円で日本株に投資されている」以上、個人投資家が投資した方が良いのは間違いなく「海外資産への米ドル建て(もしくはスイスフラン建てなど)」への投資なのです。それが分散投資になるのですから。

 

とはいえ・・・年金も自分の個人資産も(日銀も)「直接的であれ、間接的にであれ、日本国と同一化している(日本経済&日本株とあるいみ心中するつもり)」」であるなら全く「分散しなくても」構わないでしょうけれども・・・。



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  • 眞原郁哉

    1986年、兵庫県神戸市生まれ。

    同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社。その後、K2 Investment株式会社入社。投資アドバイザーとしてクライアントのためになるアドバイスをできることにやりがいを持ってます。

    趣味はダンス、ネットサーフィン、珈琲。体育会系に見えて、実はインドアでもあったりします(笑)。

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