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超基礎!今さら他人に聞けない「投資のリスクとリターン」

公開日: : 金融・資産運用の用語

こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。

今回も「超基礎シリーズ」。

前回の「円高&円安&通貨分散」が思った以上に好評だったので、この「超基礎!今さら他人に聞けないシリーズ・・・」をもっと書いていこうかな、なんて考えています。

※超基礎!今さら他人に聞けない「円安」と「円高」そして「通貨分散」/金融・資産運用の用語

今回は「投資のリスクとリターン」について。

とかく、投資(資産運用)の世界において「リスク=危険性や損する事」と大きな勘違いをしている人がいるので、ここで改めて確認してください。

 

投資(資産運用)での「リスク」は「危険性」や「損する可能性」という意味ではない

そもそも投資(資産運用)というのは「先の(確実性=絶対であること)が見えないもの」です。

投資というのは、その「先の不確実性(絶対でないこと)」に対して、個人投資家(投資家)が資金を投じることで(=リスクを取ること)その投資(資産運用)からの「収益(リターン)の見返り」があるというものです。

つまり、その不確実性があるからこそ、収益(リターン)が生まれるという意味になります。

この「不確実性」こそが資産運用で言う「リスク」に該当し、そしてそのリスクには「変動幅(大小)」があって、これを「ボラティリティ(上下のブレ幅)」といいます。

言うなれば、

リスク=「不確実性(絶対でないこと)」=「ボラティリティ(上下のブレ幅)」

という風にして考えると分かりやすいです。

このボラティリティ(上下のブレ幅=リスク)が大きくなれば、それだけプラスリターンも大きくなる一方、下振れ(マイナス)になる幅も大きくなるということです。

 

リスク=不確実性=ボラティリティ(上下のブレ幅)は統計学で一定範囲が決まっている

学問や書籍で「統計学」を学んだことがある人であれば、投資(資産運用)における「リスク」の意味を既に分かっていると思いますが、ここでは少し統計学問的に「リスク(不確実性)」を考えてみましょう。

投資(資産運用)での「リスク」というのは、上で見たように「不確実性=ボラティリティ(上下のブレ幅)」です。

この「上下のブレ幅」というのがポイントになってきます。

さて、統計学では、リスクを「標準偏差」と呼びます。

「標準偏差」の細かい説明は割愛しますが、この分布図通りに行けば基本的には約70%(厳密には68%もしくは95%)の確率でこの範囲内に収まるということを示してます。

<標準偏差(正規分布図)>

(出典:Wikipedia)

例えば、

年間平均リターン5% / リスク(標準偏差)20%

という資産への投資を個人投資家が考える場合。

まずは、年間平均リターン(5%)を中心に、上下それぞれでリターン変動幅(リスク=標準偏差)を考える必要があります。

なので、

変動幅(最大)25% / 変動幅(最小)−15%

という「上下それぞれのブレ幅(年間平均リターン5%から上下にそれぞれ20%ずつブレる)」が出来るのが分かりますか?

恐らく、ほとんどの人がリスク(標準偏差)20%と聞くと

「危険度20%!」「損する確率20%!」なんて思っている場合があると思いますが、それは大いに違いますよ!

ということを言いたいのです。

例えば具体的に各資産の年間平均リターンとリスク(標準偏差)で考えてみると、

・日本株式:
年間平均リターン5% / リスク(標準偏差)20%

・米国株式:
年間平均リターン8% / リスク(標準偏差)15%

・コモディティ:
年間平均リターン 6% /リスク(標準偏差)25%

・オフショアファンド(ヘッジファンド):
年間平均リターン13% / リスク(標準偏差)5%

という各資産の比較をしてみます。

各資産の「リスク(標準偏差)」は、年間平均リターンの数字を中心にして、上下でそれだけのリスク(標準偏差)数値で変動して、下記のような最大&最小の変動幅に収まる可能性が約70%の確率で起こり得ると考えることになる

と伝えたように、それぞれの上下の変動幅としては、

・日本株式:
変動幅(最大)25% / 変動幅(最小)−15%

・米国株式:
変動幅(最大)23% / 変動幅(最小)−7%

・コモディティ:
変動幅(最大)31% / 変動幅(最小)−19%

オフショアファンド(ヘッジファンド):
変動幅(最大)18% / 変動幅(最小)8%

結果、変動幅(最大)〜変動幅(最小)の間にそれぞれの資産の年間平均リターンが約70%の確率で収まる、ということになります。

上の例の資産別に考えると、オフショアファンド(ヘッジファンド)が最もリスク(標準偏差、ボラティリティ=上下のブレ幅)が小さい投資資産であるという風に解釈できます。

よくよく考えれば、「リターン(収益)」と「リスク(標準偏差=ボラティリティ=上下のブレ幅)」は表裏一体なので、リスクが大きければそれだけブレ幅が大きくなり上振れリターン(収益)も下振れリターン(損失)も大きくなるということですね。

ちなみに「預貯金」はほとんどリスクが無い資産です。

資産運用をする個人投資家は、今後はくれぐれも「リスク≠危険性」という風に考えないように気をつけましょう。



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    • 眞原郁哉

      兵庫県神戸市出身。

      同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社(リテール営業)。その後、K2Holdings(K2Investment/K2Partners)に参画。投資アドバイザーとしてクライアントにより客観的にマクロ/ミクロ経済を踏まえて資産運用の情報発信、コンサルティングできることにやりがいを感じています。

      趣味はジム(筋トレ)、哲学、遺跡(世界遺産巡り)、旅行、映画、ネットサーフィン、珈琲、陰謀説の妄想。本格的に筋トレを開始してから、ほとんどお酒を飲まなくなりました。近いうちに格闘技(KravMaga)を開始したい。

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