2017年は米利上げ加速へ!利上げ実施で「ドル高円安」は継続、円資産目減りへの備え
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最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。
本日(12/14)日本時間未明に2016年最後の大イベントの「米国の利上げ」がようやく行われました。
さすがに夜中3時(日本時間は午前4時)に発表されるこの会見内容を確認するのは眠かった(苦笑)。
<イエレン FRB議長>
2015年12月以来、1年越しの「0.25%利上げ」へ
1年前の2015年12月時に利上げした当時をまとめた記事がこちら↓
※米国の利上げ!ちょっと待った!まだドル高/円安で大事な資産を消耗してるの?/為替マーケット全般
そして、今回2016年12月の「利上げ」決定内容は、
・0.25%の利上げ決定(FF金利の誘導目標を年0.25~0.50%から0.50~0.75%に引き上げ)
イエレン議長の会見でのサプライズ+ポジティブ内容は、
・2017年は3回の利上げを見込む
・経済成長(GDP)、インフレ率、政策金利見通し全てでドットプロット(見通し)を引き上げ
・現状の米国株高(過熱感)に対する懸念表明なし
です。
総じて
「FRBイエレン議長+FOMCメンバーの想定どおり、声高に利上げを実施できた」
という非常にポジティブな内容の利上げ会見でした。
<ドットプロット(利上げ見通し)>
(出典:Bloomberg)
2016年9月発表時点でのドットプロット(利上げ見通し)では、2017年の利上げ予想は「2回」だったにも関わらず、今回の会見後には「2017年には3回の見込み」という結果が示され、マーケットではポジティブサプライズとなりました。
つまり、これまでイエレン議長が3年間守りに守り抜いてきた「米国雇用市場(労働市場)維持」が堅調な中(ほとんど完全雇用の状況)、従来の予想よりも、
GBP(経済成長率)、インフレ率(2%へ上昇)は緩やかに見通しを引き上げられ、結果「2017年の利上げが2回→3回」に引き上げられた
=利上げが加速する可能性が高まった
ということです。
米国利上げ後の為替、金利、米国株式への見方
利上げ会見後のマーケットの動きとしては、1ドル=116.452円まで円安(16年2月以来)、米国2年債は一時1.27%まで上昇(09年8月)、米国10年債は2.57%(10bp上昇)で引けました。
米ドルは、主要16通貨に対して、ほぼ全面高。
日本円は、1ドル=114円〜115台から116円台半ば、午前のマーケットで117円台後半までドル高円安が進んでいます。
※超基礎!今さら他人に聞けない「円安」と「円高」そして「通貨分散」/金融・資産運用の用語
<USD/JPY 30分為替チャート>
今回のイエレン議長の会見内容と力強い米国経済環境を踏まえれば、
・米ドル高(円安)傾向
は継続していくと容易に想定できます。
よくよく思い返せば2015年末〜2016年年初は1ドル=120円台でした。
まずは、今後の米国経済指標などを反映して、その1ドル=120円台を目指してドル高円安が進行するという見方ができます。
また確かに2017年1月からはトランプ大統領が就任して、実際トランプ政権がどのような政策(主に財政政策)を打ち出してくるのかによってまた動向が変わってきますが、いずれにせよ、トランプ大統領が財政政策を推し進めていけば、金利上昇の追い風にはなり、米国内のインフレ基調にはなるので、FRBも追加利上げを行ってくるということが考えられます。
(日米)金利差が拡大すれば当然・・・
つまり、
・米ドル高
です。
日本円しか持っていない人、個人投資家は、今頃ようやく焦り始めて、
「また1ドル=102円などのドル安円高にならないかなー」
なんて考えているようですが、残念ながらその機は既に逃しています。
1年前の2015年の12月の利上げ前にも私は散々このブログ記事で
「利上げ後は、一時的なドル高はあっても中長期ではドル安トレンドですよ」↓ ※米国利上げ後、一旦はドル安円高へ?その後は長期で円安トレンド形成か!/為替マーケット全般
と情報発信している通りなのに・・・。
ただまだ、遅くありません。
日本円資産しかもっていない人で円資産の目減りを防ぐ為には、
「ドル建て資産(海外積立投資、オフショアファンドなど何でもまずは「外貨資産」)」
を持ちましょう。
それだけで「日本円の為替下落リスク(円安リスク=貧しくなるリスク)を防げる」のですから。
今回のFOMCの利上げ結果は予想通りだったとは言え、ずっとやきもきして待たされ続けてきた利上げだったので、ひとまず2016年の大イベント終了で、ようやくホッとです。
今晩は夜中に起きずとも、ゆっくり眠れそうです(苦笑)。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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