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格付け会社S&Pが日本国債をA+へ格下げした意味は「今後の増税+社会保障(年金)カット」〜老後への備えをいち早く〜

公開日: : 最終更新日:2016/02/16 財政問題

こんにちはー!K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。

昨日9/16日本時間夕方に「S&Pが日本国債の格付けを格下げ」というニュースが流れてきました。日本語メディアと海外メディアの報じ方の違いが色濃く現れていたのでまずはここで確認してみましょう。

日本語(日本メディア)の情報は遅いし独自バイアスが掛かっている

Screen Shot 2015-09-17 at 17.08.00(出典:日本版ロイター)

Screen Shot 2015-09-17 at 17.08.16(出典:Bloomberg Business)

時間帯的にはほとんど同じでヘッドラインニュースが上がってきましたが、意味が大きく違うのが分かりますね。日本版ロイターは「格付け見通しをネガティブから安定的に変更」と報じてどちらかと言えばポジティブな印象を与えますが、Bloomberg Businessでは「日本国債をAA-からA+に格下げ」と客観的な「格下げ」に焦点を当てて報じています。どちらが重要か?と考えると「格下げ」された情報の方が重要度は高いはずです。どのメディアにもバイアスはありますが、この差は大きいでしょう(苦笑)

そして、日本の「経済新聞社」を代表する日経新聞社では、同時間にこのトピックは上がらず夜9時過ぎになってから記事が上がる始末でした。実に遅いです・・・。日本に住む以上、自国のことであってもこの情報の遅さとバイアスのかかり具合を認識する必要がありますね。拡大解釈をしていけば「日本国債が暴落する(金利が急騰する)」や「為替が大幅に円安になる」や「預金封鎖してくる」「デノミネーションをしてくる」など、日本のメディアが早々に伝えてくるという期待はしてはいけないということです。

日本国債が格下げされた理由は?(信用力の低下=円安要因)

Screen Shot 2015-09-17 at 17.20.19(出典:日経新聞電子版)

Screen Shot 2015-09-17 at 17.21.16(出典:Baron’s)

日経新聞のみならず日本のメディアはどちらかと言えば「アベノミクス」に対する内容が多かったですが、他方海外メディアが報じているのは「日本の財政問題」と「為替」などに重きが置かれています。

確かに米格付け会社S&Pが格下げ決定をした理由としてどちらの情報も上がっていましたが、やはりその報じ方に違いがあります。

今回S&Pが指摘しているのは主に、
・日本国民の1人当たり平均所得が減少(ドル建)
・デフレ経済から脱却できていない
・日本経済が今後2〜3年で信用力を好転させるまで改善する可能性は低い
・日銀が異次元金融緩和の出口戦略(金融緩和を止める政策)に踏み切ると、金利が上昇し財政を更に圧迫する
・先進国で最悪水準にある巨額財政赤字を抱えて極めて脆弱な上「信用指標への重大な弱み」と強調

との悲観的な見方です。

つまり、アベノミスク(+黒田日銀の量的質的量的金融緩和という金融政策)への疑問です。

国債の「格下げ」が意味すること(裏にある意味は増税と年金削減)

「民間の格付け会社の格付けなんて・・・」という意見もあります。その意見も正しいでしょう。なぜなら格付けの信用情報は全てではなく必ずしも正しいという訳ではないからです。

がしかし、その格付けが投資判断やその国の信用度を表す大事な指標の1つであるというグローバル・スタンダードな事実は間違っていません。

実は今回のS&Pの格下げの前に、2015年4月にFitch Ratings2014年12月にMoody’sが同じように格下げを行っています。つまり、大手民間の格付け会社がこの1年以内に「日本国債の信用度を引き下げた」ことになります。(日本ではしきりに「アベノミクスで経済が良くなった」と報じていたにも関わらず!)そしてマーケットでは強い反応ではないものの、結果的に「円安要因」になっています。

さて、ここで考えるべきは日本の政治判断(=財務省の思惑)です。よくよく冷静に考えると「日本の格付けが下がっ理由は財政が悪いから」。だから「増税しよう!」。だから「社会保障を削減しよう!」という流れを作りやすくなりますね?

<債務対GDP比>

Screen Shot 2015-09-17 at 17.20.36(出典:Bloomberg)

日本の債務残高は対GDP比で247%まで右肩上がりに上昇していると指摘されています(ネットとグロースの話は別として事実債務が膨れ上がっている事実は確かです)一向に減る様相を見せない日本の債務残高(赤字国債)ですが、それでは一体「財政問題があるから」という理由で2014年4月に引き上げた「消費増税(5%→8%)」は何だったのでしょうか??

さて、同じように考えると・・・今回のこの格下げは逆に安倍政権(2018年まで続投)にとってポジティブになります。だって「財政が悪化している=格下げされた=増税するしか無い!」だから「2017年の消費増税(8%→10%)は絶対にする」という流れになりますね??

つまり、今回の格下げの意味は「今後の増税と社会保障削減」への後押しということ。

※2030年代、消費税25%が必要だってよ!/投資と社会事情の関係

財政悪化=増税+社会保障(年金)カット=預金封鎖=デノミ

日本国債(財政)問題が話題に上がる度に、預金封鎖やデノミネーションについて心配している個人投資家や日本人が多いのはもう周知の事実ですが、もし「預金封鎖の知識ないよ〜」という場合には直近のギリシャの例が参考になるので併せてこちらも↓

※預金流出が止まらないギリシャ!デフォルト間近で「預金封鎖」の前兆も!そういえば日本の銀行は大丈夫ですよね?/財政問題

私は「日本経済はゾンビ」だと考えています。つまり(実質的には破綻しているのに)デフォルトしようにも出来ず何とか生きながらえているという意味です。

その延命措置として考えられるのが、消費税や相続税や贈与税などあらゆる「増税」、そして今後マイナンバー制度が始まるので「資産課税(=預貯金に課税)」なども十分ありえると考えています。他には「社会保障(年金)の実質カット」。本当にカットすると国民から不人気になる政治家がいるので、うまいこと「実質的に」カットにする方法を敷いてくるということですね。例えば、社会事情(人口減少)に従って年金額を削減するマクロ経済スライドなどが挙げられますね。

そういう現実が今の日本社会ということでしょう。それでも今の40代以下の世代はこれかも生きていきますし「退職後(老後)」は必ずやってきます。増えない給与から月々の支出が増える一方(増税)、受け取るものが少なくなる(社会保障カット)というのが現実ではないでしょうか。

つまり今の退職世代とこれから退職していく40代以下の「老後資金の作り方(備え方)」は別物であると考えるほうが良いでしょう。

「どうすれば「日本国債のリスク(円安リスク)」と「老後資金確保」ができるのか?」を考えたことはありますか?その方法としては間違いなく外貨建てで円安に備えながら老後に備え現役時代から月々一定金額をコツコツ積立投資できる海外積立投資でしかありません。

(カバー写真:Bloomberg)





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  • 眞原郁哉

    1986年、兵庫県神戸市生まれ。

    同志社大学商学部(マクロ金融専攻)卒業後、野村證券入社。その後、K2 Investment株式会社入社。投資アドバイザーとしてクライアントのためになるアドバイスをできることにやりがいを持ってます。

    趣味はダンス、ネットサーフィン、珈琲。体育会系に見えて、実はインドアでもあったりします(笑)。

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