個人投資家が「超富裕層動向」を知っておくべき理由(WORLD WEALTH REPORT 2015より)
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
富裕層の資産運用
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回は毎年「超富裕層・富裕層」動向を探る「WORLD WEALTH REPORT 2015」から情報を発信します。
このレポートは、世界中の23市場5,100人以上の「お金持ち(富裕層)=世界中の1%の人たち」を調査してまとめられているレポートで、毎年この層の動向を調査している興味深いレポートです。またレポート中に出てくる「HNWI」とは「High-networth individuals」の略で日本語に当てはめると「高額(正味)財産を持つ個人」でしょうか。
少し具体的に見てみましょう。
2009−2014年のHNWIの人口推移と地域別の増加
・HNWIは、世界中で約1,460万人いる
・アジア(469万人:+8.5%)、北米(468万人:+8.3%)
2012-2017年のHNWIの資産推移と地域別の増加
・HNWIの合計資産は、56兆4,000億ドル(約7,000兆円)
・アジア(16兆8,000億ドル=約2,100兆円)、北米(16兆2,000億ドル=2,000兆円)
2017年までに(予測)では、
・年間7.7%増加し、HNWIの合計資産は70兆ドル(約8,750兆円)を突破する見込み
・継続してアジアの伸び率(+10.3%)が拡大していく見込み
富裕層の中の超富裕層(Ultra-HNWIs)が、全世界の金持ちの富の35%をもっている
レポートから原文を抜粋
赤線を引いている箇所がポイントで「全てのHNWIの1.0%(つまり、HNWIは世界人口の1%なので、さらにその1%)がUltra-HNWIsと呼ばれHNWIsの富のおよそ35%を持っている」とのこと。
そして、彼ら(Ultra-HNWIs)が政策や投資、経済に対して不相応なほどの影響力を持っていると指摘されています。
今資産を築いている個人投資家が「富裕層動向」を知っておくべき理由
このような超富裕層に関する話になると「私は関係ないわ!」と思われるかも知れません。
ただ、よくよく考えるべきは「このような富裕層が「世界経済へ何かしら影響を与えている」」ということです。例えば米国大統領選挙なんて顕著な例です。自らに有利な施策をしてくれる大統領候補者に対して政治献金をすることで、後方支援という名のもとに彼らが大統領になった暁にはそれなりの見返りを期待するというのが当然でしょう。
また、このブログには載せていませんが、HNWIsの資産ポートフォリオ(今は株式の保有益が最上位=オーナー系の持株など)は非常に参考になります。具体的にはオフショアファンド(ヘッジファンド)やオルタナティブ資産配分、債券比率などを含め、どのような地域へのアセットアロケーションを組んでいるのか?などです。
この一部の富を持つ層が「世界経済や世界政治」をある意味で動かしている(多大な影響力を持つ)という世界構造が変わらない以上、今から資産を築く個人投資家であっても彼らの動向に注視しつつも参考にすべきでしょう。
(カバー写真:WORLD WEALTH REPORT 2015)
スイスプライベートバンク入門書(マニュアル)を無料進呈します
日本のプライベートバンクではありません。
本場スイスの本物のプライベートバンクを開設するノウハウをまとめました。
関連記事
-
個人の自由権利である「オフショア投資(海外投資)」ができなくなる?【規制】
こんにちは、眞原です。 今年2019年6月に、この記事を書いてFacebookのLikeが21
-
【為替】2018年以降はぐんぐん「円安(円の価値目減り)」に!?「壮大な社会実験」の先にあるものは資産課税?
こんにちは、眞原です。 今回は、為替事情と私の誇大妄想について。 日本時間の明日の早朝(
-
【制度】海外送金の制限が拡大!マネロン対策という大義名分の「個人自由の侵害」へ〜 オフショア投資のタイムリミット〜
こんにちは、眞原です。 特に先月から急激に「個人による「投資目的」での海外送金」が厳しくなって
-
【オススメ映画】「億男 / MILLION DOLLAR MAN」〜「お金」とは何か??3億円あれば「幸せ」か?〜
こんにちは、眞原です。 今回は、私の「オススメ映画」について。 週末は相変わらず、見た目
-
【富裕層情報】2019年度版『世界の富の変遷〜Global Wealth Migration Review〜』Vol.2
こんにちは、眞原です。 今回も前回に引き続き『(2018年度の)世界の富裕層の富の変遷』情報で
-
「休眠預金(銀行で動いていない口座)」が国に活用(?)されるらしい
こんにちは、眞原です。 タイトルの通り、 政府が「休眠預金口座(金融機関に預金として預け
-
富裕層への相続税課税強化の動き(平成29年度税制改正)
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は「平成29年度税制改正」による富裕層への相続税
-
節税意識の変化、今後の富裕層は日本国籍(パスポート)を変更していくか?
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 今回は、富裕層課税と節税と生き方について。ちょうど昨晩、
-
超富裕層と資産課税や富裕税(海外資産保有や資産フライトへのモチベーション)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「富裕層」情報。
-
国税庁が指摘した2014年の海外資産相続申告漏れ件数は177件!海外資産(預金、株式、不動産、オフショアファンド)を持つ人は必見!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は、海外資産(預金、