野村高配当インフラ関連株プレミアム(通貨選択型)通貨セレクトコース 毎月分配型!個人投資家がほとんど分かっていないオプション・プレミアム戦略のファンド。
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回のブログは野村證券から販売されている「野村高配当インフラ関連株プレミアム(通貨選択型)通貨セレクトコース 毎月分配型」です。既に3年程度運用されているファンドなので知っている人も多いでしょう。
このファンドは、オプション・プレミアム戦略というファンドの特徴がウリです。
WHAT’S オプション・プレミアム戦略(コール・オプションの売り)?
オプション・プレミアムについて厳密に説明して理解してもらうには、個人投資家にも「最低限の金融知識」が必要なので、投資経験がマチマチの方が目を通している本ブログでは細かくは割愛します。(どうしても知りたい場合には、野村證券マンに詳しく尋ねてみましょう。彼らがどこまで理解していてどこまで分かりやすく説明してくれるのかを確認出来ると思います。)
大雑把にまとめると「オプションという権利を売買する金融商品を組み入れることで、全体としてファンドの下落リスクを抑える」というものです。もはや「そういううものか」と思う方が手っ取り早いです。それほど複雑な仕組みなので、商品パンフレットは分厚く(苦笑)、そのオプション・プレミアムに関する説明にかなりページを割いていて、皮肉にも「複雑さと分かりにくさ」を露呈したファンドです。
そもそもこのファンドの運用開始時(2012年から)この「プレミアム戦略(コール・オプション売却)」に関連するファンドが野村證券から多数販売されました。当時の野村證券の商品企画部と同グループの野村アセットマネジメントが共同で商品組成をしていたのでしょう。背景にはそれまで販売しやすさがウリだった「通貨選択型の毎月分配型ファンド」が、2011年の欧州債務問題や日経平均8,000円台、ドル円70円台の際に軒並み下落し、金融庁から「毎月分配型はけしからん!(それまでは目をつぶっていたにも関わらず、手の平を返したかの如く批判的になり)」、まともに販売できる投資信託が無かったというのが本音です。
結果、販売しやすい毎月分配型を維持しつつも個人投資家にとって複雑なオプション・プレミアムを絡めたファンドが販売されるようになりました。この「オプション」を絡めた運用によって、少しはリスクを抑えながらも分配金を出す事が出来るようになったことで野村證券が筆頭に販売を始め、同戦略を真似した三菱UFJモルガン・スタンレー証券が追随しています。
それではこのファンドの運用パフォーマンスから確認してみます。
ファンド・パフォーマンス推移
<野村高配当インフラ関連株プレミアム(通貨選択型)通貨セレクトコース 毎月分配型>【基準価額】13,093円(6/17時点)
【純資産総額】986億円
【分配金/毎月】100円
【分配金累計額】3,000円
2012年から約3年間の運用で年間平均リターン16.9%程度です。順調なリターンを上げています。毎月分配型なのでタコ足(元本払戻金=特別分配金)を心配する必要がありますが、このファンドに関してはそうはなっていません。
ファンドの特性がこちら
残念ながらこれを見てもサッパリ分からないという個人投資家は多いと思います・・・でも大丈夫です!入社したての証券マンや恐らく一般的な銀行員の方も分からないと思います。
オプション(コール・オプション)という権利の売買で成り立っているファンドなので、このポートフォリオ特性値はその権利についての説明です。「権利」なので、ファンドマネージャーはその権利を行使するかしないかという選択ができるので、結果的にその権利の行使(=つまり売買)がこのファンドのパフォーマンスに関わってきます。このファンドのパフォーマンスの源泉は大きく分けて4つです。
1.)高配当インフラ関連株からのインカムゲイン(配当収入)
2.)キャピタルゲイン(売買益)
3.)コール・オプション売却益(オプション収入=プレミアム収入)
4.)為替変動
仕組み的にマイナスになりにくい?
金融の世界(直接金融)は面白いもので「絶対に損をしない」ということはあり得ません。(どれだけリスクが少ない運用であっても、マイナスになる可能性は運用上あり得ます。)このカバードコール戦略の謳い文句としては『株価の上昇・下落に関わらずオプションのプレミアム収入を獲得できる』という点ですが、『え、それなら絶対儲かるってこと?(下手をすればマイナスにならないと勘違いする個人投資家もいますが)』と一般的な考えでは思いますよね・・・ところがドッコイ、それはあり得ません。
このファンドの投資元は高配当インフラ関連株です。ただ、この株式全てに対して、コール・オプション(権利)戦略としてカバーしている訳ではないのです。(上で確認済み34.8%)つまり、株価の上下に関係なくパフォーマンスを上げられるのはあくまでもオプション・プレミアム収入であり、仮に株価そのものが大きく下落した場合にはプレミアム収入でカバーしきれず、株式本来のマイナスがファンドの下落要因になってくるということです。確かに運用上は「マイナスにはなりにくい」のですが、複雑なファンド運用なため、個人投資家はその点を勘違いしてはいけないでしょう。
かつて3,000億円程度あった同ファンドの純資産総額もここにきて900億円台と資金流出が続いています。利益確定する水準としては良い頃合いなのが確かなので、野村證券マンから売却セールストークをされているという声も聞きます。(実際に売りオファーは禁じ手となっているそうですが・・・。)
このファンドのみならず、米国の利上げが行われる(予定)の2015年は、これまでの運用資産から切り替え、新たに投資戦略を練り直す時期に差し掛かっています。個人投資家は改めて投資しているファンドや資産を見直しましょう。
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オフショア投資とは:日本には入ってこない海外の金融商品に直接投資をすることをいいます。それらのファンドが主に税金のかからない国(オフショア)に登記されているのでオフショア投資と呼ばれています。
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