米国利上げ前!新興国通貨(ブラジルレアル、インドネシアルピア、トルコリラ、南アランド)ショックに備えあれば憂いなし!
公開日:
:
最終更新日:2021/02/09
マーケット全般(株式、債券、為替)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。
今回のブログ内容は『新興国通貨マーケット』について。
先に結論からお伝えします。
『新興国通貨ファンド(レアル、リラ、ランド、ルピア)に関しては、早めの売却をした方が良いでしょう』
です。
何故か?
『短期的に且つ中期に渡り大きく下落するリスクがあるから!』
です。
海外積立投資のように中長期でコツコツと一定金額をドルコスト平均で買い続けている場合は今後の伸びしろを含めて考えられますが、一方、毎月分配金を期待して、例えば「ブラジル。レアル・ボンド◯✕ファンド」や「◯◯投資信託通貨選択型トルコ・リラコース」などに、1,000万円単位などまとまった投資をしている個人投資家は要注意です。
海外積立投資入門書(マニュアル)についてはこちらから(無料)
それでは、それぞれの為替推移を確認してみます。(上方向がドル高該当通貨安=該当国にとってはネガティブ要因=個人投資家にとってもネガティブ要因)特に、フラジャイル5(脆弱な5ヵ国と呼ばれた国々、ブラジル、トルコ、インドネシア、南ア、インドを取り上げています)
ブラジル・レアル <USD/BRL 5年チャート>
南ア・ランド <USD/ZAR 5年チャート>
インド・ルピー <USD/INR 5年チャート>
インド・ルピー以外の上4ヵ国は、見事なまでに米ドル高自国通貨安になっているのが分かります。(インドは2014年の政権交代以降、為替のブレが小さくなっています)そもそも、財政状況が悪いこれら新興国(経常赤字国)の通貨は信用度が低い中で、一時高金利という理由だけで投資され、数々の毎月分配型投資信託が販売されてきました。その高い分配金を目当てに多額を投資している個人投資家も多いことでしょう。
今後、為替の乱高下リスクつまり投資信託(ファンド)運用している個人投資家はファンドの基準価額の大幅下落や分配金の減少に要注意になってきます。覚えているでしょうか?2年前の2013年5月22日に前FRB議長のバーナンキが議会証言で『QE縮小を検討している』と発言してから、新興国通貨、新興国株が軒並み大幅に下落し、当時の彼の発言が『バーナンキ・ショック』と呼ばれた事を・・・。
なぜ、新興国通貨が売られやすくなるのか?
非常に乱暴に簡単に考えると
今までは、
「新興国通貨(信用度が低く、インフレ率が高い)」ゆえに、高金利=低金利下においては、高い金利を求めるマネーがリスクを取って大量に流入していた。
しかし、今後は
「米国の金利が上がる(信用度が高い)」ゆえに、投資家は敢て新興国通貨の高いリスクを取らずとも、単に米国や米ドルに資金を戻すだけで金利が付くだけでなく同時に安全性(リスクが低い)を確保できる。
から。
結果、新興国通貨や株式や債券に流れていた大量のマネーが米国に戻るという流れが生じやすくなるという構造です。まして、また、新興国の多くはは米ドル建てで借入をしているので、金利が上昇すればドル高+その金利分がドル建てで増加します。フラジャイル5(or4)各国は、経常赤字国かつ外貨準備高が少ないので自国通貨を買い支える余力が限られています。借入を米ドルでしている以上、ドル高+金利上昇のダブルパンチをお見舞いされるも同然です。
借入を自国の貯蓄で賄えるような国であればここまで心配しなくとも大丈夫ですが、例えば現状のギリシャのように借金を他国に依存している例を見れば分かる通り、大きな混乱やデフォルトが生じるリスクが高くなります。
そして実は、過度なショックを和らげるためにNY連銀総裁のダドリー総裁が既にこれらの新興国通貨下落リスクについて言及して一定のリスクヘッジの話題を提供しています。ただ、イマイチ日本の個人投資家には伝わっていないようです。結果的に、取り越し苦労として利上げをしても大きな混乱なく軟着陸すればそれに越したことはありませんが、実際そのリスクに備えておくことは必要です。まして特にブラジルレアルやトルコリラ関連の毎月分配型ファンドに多額を投資している場合には要注意でしょう。 歴史的に見るともちろん過去の経済状況とは大きく異なるものの米国が利上げをした際には、1997年アジア危機そして1998年ロシア通貨危機という大きな経済的な打撃があったので、敢てここで伝えて記しておきます。
海外積立投資入門書(マニュアル)を
無料進呈します
毎月の余剰資金から少額ずつ(100ドルから)の積立をしていくことで、ドルコスト平均法と複利運用を使った資産形成をすることができます。
海外積立投資には以下の4つの種類があります。
- 最高5%上乗せボーナスを最初にもらった上で、200本のオフショアファンドで積立
- 10年後(満期)に100%の元本確保をした上で、S&P500で積立
- 15年後(満期)に140%の元本確保をした上で、S&P500で積立
- 20年後(満期)に160%の元本確保をした上で、S&P500で積立
関連記事
-
金融機関の為替相場(USD/JPY)予想一覧(2016年2月時点)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回も為替動向について。
-
【マーケット】コロナショックから3ヶ月後の株価回復と過去の経済危機との比較
こんにちは、真原です。 今回は「コロナショックから3ヶ月後の株価回復と過去の経済危機との比較」
-
2017年は米利上げ加速へ!利上げ実施で「ドル高円安」は継続、円資産目減りへの備え
こんにちは、投資アドバイザーの眞原です。 本日(12/14)日本時間未明に2016年最後の大イ
-
楽天(4755)、公募増資で1,880~2,000億円を調達!想定水準までの下落。株価「希薄化」の意味とは?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回のブログ記事のカ
-
【マーケット(世界)】毎年恒例!米ブラックストーン副会長の2019年「びっくり10大予想」
明けまして、おめでとうございます、眞原です。 2019年初のブログ情報です。 本年も宜し
-
米国の利上げ!ちょっと待った!まだドル高/円安で大事な資産を消耗してるの?
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 「ようやく利上げしたか・
-
トルコのクーデター失敗とトルコリラ資産(リラファンドやリラ債券は要注意)
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 今回は「新興国通貨(トル
-
FRBイエレン議長発言から考えると米国利上げは年内織り込みか?個人投資家は米ドル投資で「ドル高円安に備える」タイミング
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 去る10日にFRB(米連
-
【為替】米ドルの優位性と日本円の価値下落(日本円しか持たない人は貧しくなる)
こんにちは、真原です。 久々に、米ドル日本円(USD/JPY)でも、ドル高円安の動き/トレンド
-
今年の本丸、日本郵政3社が11/4に同時上場で売出総額は1兆3,800億円!誰が為の上場か!
こんにちは、K2 Investment 投資アドバイザーの眞原です。 来るぞ来るぞと言われてい